資金調達率とは【資金調達率で稼ぐ方法】

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資金調達率を知らない人「資金調達率?何か海外の取引でかかる手数料のことでしょ?知ったところでトレードに影響とかなさそうだし、別に知らなくていいや。」

資金調達率とは

資金調達率について、まずは実際の取引画面を使って解説したいと思います。下記はBybitにおけるBTC無期限先物の取引画面ですが、赤枠をご覧ください。

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画面右下に「資金調達率 0.0208% 8時間後に」と記載されています。これは「8時間後に、保有しているポジションに対して0.028%の資金調達料がかかります」ということを意味しています。資金調達率がプラスの場合ロングポジション保有者が手数料を支払い、ショートポジション保有者が手数料を受け取ります。逆に資金調達率がマイナスの場合ロングポジション保有者が手数料を受け取り、ショートポジション保有者が手数料を支払うこととなります。
手数料のタイミングは取引所により異なりますが、例えばBybitでは日本時間の午前1時、午前9時、午後5時のタイミングで保有するポジションに対して資金調達率がかかります。

ロング側ショート側
資金調達料プラス支払う受け取る
資金調達料マイナス受け取る支払う

資金調達料は受け取ることが出来る

ここで肝となるのは、「資金調達料は市場参加者が受け取ることも出来る」ということです。上記の例ではショート側が0.028%の手数料を貰えることになります。
では仮にBybitでショートポジションをとると同時に資金調達料のかからない他の取引所で同じ量のロングポジションをとるとどうなるでしょうか。同じ価格でロングとショートを入れているのでトレード損益はプラスマイナスゼロ、ただしBybitでは手数料を受け取ることが出来るので、手数料分利益が出ることになります

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資金調達率の計算方法

次に資金調達率の大まかな計算方法を解説します。資金調達率を利用した戦略を構築するうえで理解する必要がある部分ではありますが、「そんなのどうでもいい、とにかく稼ぐ方法だけ知りたい」という方は資金調達率を稼ぐトレード戦略までスキップしてOKです。まずは簡易的な数式を示します(あくまで意味合いが分かるように簡易的に示しており、実際の公式とは異なります)。

資金調達率 = ①ドルの金利 - ②BTCの金利 ± ③現物INDEX価格との乖離の調整

資金調達率はプラスの場合ショート側が受け取る側になるので、ショート側の目線で無期限取引を考えてみたいと思います。現物取引でない無期限取引市場においては、ショーターは実際に保有するBTCを売却するのではなく、「一時的にBTCを借り入れて、当該借り入れたBTCを売却し、売却によって受け取ったUSDを貸し出している」と考えることが出来ます。結果的にBTCやUSDの移動はないのですが、実質的に上記の一連の取引を一瞬で実行しているということです。

ここで公式との関連が明らかになります。ショーターは実質的にUSDを貸し出していることから、ドル金利を受け取る立場にあり、また実質的にBTCを借り入れていることからBTC金利を支払う立場にあります。公式でも「①ドルの金利」を加算、「②BTCの金利」を減算しており、整合していますね。

また資金調達率は現物価格との乖離を調整する役割を果たしています。現物価格と比べて価格が高くなりすぎていたら資金調達率を上げることでショートポジションを増加させ、逆に価格が低くなりすぎていたら資金調達率を下げることでロングポジションを増加させることで取引所間価格差の乖離をなくしているのです。
公式③取引所間乖離の調整がこの役割を果たしますが、この調整についてはBybit無期限先物価格の市場全体と比べた過熱感により変動するので、プラスになることもあればマイナスになることもあります
特に仮想通貨市場全体の価格が上昇している局面においては市場の過熱感が高まり、無期限先物市場における価格が現物価格に比して高くなる傾向があるため資金調達率は大きくプラスとなることがあります。

長期的目線では①ドルの金利と②BTCの金利が資金調達率の決定要因となり、①は0.06%、②は0.03%で2017年頃から変動がありません。
(例えばBitmexの①の詳細はこちら、②の詳細はこちらで確認できます。)

資金調達率の長期的な決定要素が①ドルの金利②BTCの金利であり、それが概ね①0.06%、②0.03%で固定されているということは、長期的には1日の資金調達率は0.03%(① - ②)となります。つまり、
「ショートポジションを1年間保有することで年間約10.95%(0.03 × 365日)の手数料を受け取ることが出来る」
ということになります。

資金調達率を稼ぐトレード戦略

上述の通り現在のドル金利、BTC金利から考えると長期的目線ではショートポジションを保有することで年間約10.95%の手数料を受け取ることが出来ることが分かりました(もちろん取引所や価格乖離調整分次第で前後はします)。ですが単純にショートポジションをとるだけだと価格の上昇した場合に損失が出てしまいます。もしも再度ビットコインバブルのようなことが起こったら大変です。

そこでこの価格変動リスクを回避するために同一量のロングポジションを持つことを考えます。ロングポジションの保有の仕方は概ね下記3パターン考えられます。

  • 現物市場で現物を購入
  • レバレッジ取引でロングポジションを保有
  • 先物市場でロングポジションを保有

現物ロング

一番手っ取り早いのはこの方法です。現物は保有することで手数料などはかからず、また取得したBTCを担保としてBybitでショートポジションを取ることが可能です。

<手順>
日本の取引所でBTCを購入
⇒Bybitなどfundingrateを受け取ることが出来る取引所にBTC送金
⇒取得したBTC現物と同量のBTCショート取引を実行

レバレッジロング

これはロングポジションをレバレッジ取引で保有するものです。レバレッジをかけることで、現物の場合の数倍のボリュームで取引が出来ます。ただしレバレッジをかけたロングポジション取得にはほとんどの取引所でマイナスのfunding手数料やポジション料を取られてしまうため、レバレッジロングポジションの保有に手数料のかからない取引所を見つける必要があります。
日本では少し前までTAOTAOでポジション料ゼロとなっおりこの方法が使えましたが、現在はポジション料がかかるため使えなくなっています。

<手順>
レバレッジロングで手数料がかからない(又はショートで受け取る手数料に比べて少ない手数料で済む)取引所を見つける
⇒当該取引所でレバレッジロングポジション取得
⇒Bybitなどfundingrateを受け取ることが出来る取引所で同量のショートポジション取得

先物ロング

これはポジション料がかからない先物取引をロングポジションとして保有する方法です。ただし先物取引は限月があるため期限が来たら清算されるため再度ポジションを取りなおす必要があり、また先物価格は現物価格に比して高く設定されているため先物価格が割安の取引所を見つける必要があります。

<手順>
反対売買による損失よりも受け取る手数料による利益の方が大きい取引所(先物価格が割安な取引所)を見つける
⇒当該取引所で先物ロングポジション取得
⇒Bybitなどfundingrateを受け取ることが出来る取引所で同量のショートポジション取得


まずは日本の取引所で先物取引も取り扱っているbitFlyer、海外取引所でfundingrateを受け取ることが出来るBybitあたりに登録してみることをお勧めします。取引所の選択については下記記事にまとめていますので参考にしてみてください。

まとめ

以上資金調達率とは何か、また資金調達率を利用したトレード手法について記載しました。反対売買の方法としては3つ記載しましたが、安定的に手数料を受け取りたいということであれば現物取引をロングポジション取得の方法として利用することをお勧めします。理由は3つです。

  • レバレッジ取引でポジション料がかからない取引所を見つけるのは困難で、もし見つけられてもキャンペーン的に短期での取り扱いであることが多い。
  • 先物価格は基本的に資金調達率を元に計算されるものであることから、先物価格が割安な取引所を見つけるのは難しく、またもし見つけられたとしても板が薄いことが多いためレバレッジを効かせられるという利点を享受できない。
  • ショートポジションは基本的にBTCを担保とした取引になることが多いため、現物取引により取得したBTCを担保とする方法以外によると結局担保に入れる分のBTCを長期間保有する必要があり、BTCの価格変動リスクを受けてしまう。

多分海外取引所とかも含めて調べていくと色々な抜け道が見つかることがあるかもしれません。ただし特に海外の小さな取引所は取引所の破綻リスクが大きいので、慎重に個人の責任で判断してください。

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